人権侵害
ネットという匿名性を隙をつき、嫌がらせや風潮加害を引き起こす者がいる。

ネットワークが急速に発達したことで、世界中の人々の繋がりはとても身近なものになった。

いまや島国・日本の海の向こうに住む、アメリカやドイツの住民達もネットを介した身近な存在となりつつあるだろう。その一方で、オンライン環境の発達による悪影響も見逃せない問題となっている。

オンライン上でのいじめや人格侵害、ヘイト発言や扇動行為も増え続ける一方にある。

ご存知の通り、ネットには2面性があるのだが、AI(人工知能)の発展によってそれらが解決する可能性があるのだ。

オーストラリア発:権利侵害の2つの防止策

オンライン上での権利侵害を抑えるためにも、新しいアプローチが求められており、オーストラリアの上院はこれに関する調査を始めた。

サイバー犯罪に関する調査のためにヒアリングを行なった結果、問題を解決するためには『2つのアプローチ』を検討する必要があることが解った。

第一に、政府は主要なソーシャルメディア企業の、プラットフォーム上の『悪質なコンテンツ量を減らさなければ“財政的な罰金”を課す』というものだ。

指導に従わなければ、然るべき措置のもと『罰金刑』が科せられる。

これは企業としての信用問題に関わってくるだろう、アプローチとしてはユーザーよりも運営側に打撃を与えるものとなる。

第二の方法は、企業が遵守していることを確実にするために、投稿されたり削除されたりする『悪質なコンテンツ量を正確に特定し、測定する方法を開発する』というものだ。

先日、Twitter上では損壊した死体や焼死体、イルカの死骸などのグロテスクな画像を、リプライ(返信)に無差別で送りつける騒動が発生し、一部のユーザーが精神的な苦痛を受けるハメになった。

無論、この中には愉快犯、模倣犯も含まれているだろう。こうした過度に悪ふざけが過ぎる、悪質なユーザーに対して打撃を与えるというモノだ。

企業としても『お客様は神様』といえど、こういった疫病神は願い下げだろう。

しかしソーシャルメディア上のデータは膨大なモノだ。全てを特定するなんてことは、地球上の深海全域を調査するほど時間と手間がかかる。まさに『ネットの海』を相手取ることになる。

そこで活躍するのが人工知能、AIだ。AIに学習させることで、人間の手が届かない範囲まで規制させることで負担を減らす。

その上で、どこまで『規制対象』とするか、その限界を認識しておく必要もあるだろう。

TwitterやFacebook、Googleなどのプラットフォーマーたちは権利侵害コンテンツを人海戦術的に監視をしているが、

AIがコンテンツを監視し、権利侵害に該当するものを削除するようになれば、今よりももっとインターネット環境は改善していくだろう。

考慮すべきは、被害者への影響

オーストラリアの弁護士ジョシュ・ボーンシュタイン氏は、2015年にボーンシュタイン氏の名を騙り、人種差別的な記事を発表させられたことがある。

アメリカ在住の男性の手による、悪質な嫌がらせ行為だ。ボーンシュタイン氏は知らぬ間に世界中から誹謗中傷を受けることとなり、初めてこのネット犯罪に気付いたのだ。

この事件はボーンシュタイン氏の名誉を著しく傷つけるものとなったが、重要なことは『誰もが被害者になり得ること』にある。

ボーンシュタイン氏のように、社会にとても大きな影響を与えるものなら、なおさらだろう。かつてお笑い芸人のスマイリーキクチさんは、謂れのない殺人事件の犯人として取り沙汰され、ネット中から攻撃を受けることとなった。

その事件は最終的に、中傷行為を続けた数人が逮捕することで決着はついたが、立証することの難しさや歯止めが効かなくなる恐ろしい事件でもあった。

ボーンシュタイン氏を攻撃した男は、匿名性を盾にし、オーストラリアや他の欧州西側でのテロ攻撃を呼びかける、過激派テロリストらの支援者として姿を消していた。

だが、2017年12月、問題の男は特定されることとなりテロ容疑でアメリカから有罪判決を受けた。

ボーンシュタイン氏は現在、犠牲者による抑止行動を可能にするために、政府や法的救済手段をとれるようにとソーシャルメディア企業へ規制強化を求めている。 

大量データの適切処理はAIが最も得意な分野

権利侵害に該当するようなコンテンツをAIに覚えこませることでAIが自動で権利侵害コンテンツを特定し、削除してくれる。

特にSNS上では匿名者たちからの誹謗中傷は数多くあり、言われのないことを言われる情報発信者も多い。そのような部分にAIが活用されれば、もっと身近に不快な思いをせずにSNSを楽しみことができるはずである。

もちろん、「表現の自由」を守りながら、人の権利を守っていくことになるだろう。

全てが規制、削除の対象外となれば、ネットの良さである「発言の自由性」が担保されなくなり、今よりも利用者が減る可能性もあるが、権利を守りながら人の表現の自由を認める、という最大公約数の中で行われることが予測される。

未成年がネットから受ける影響も大きいので、年齢別によってAIが管理し、利用者に見せるコンテンツは変わっていくだろう。

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人工知能で犯罪予防

人の会話を人工知能に聞かせると、犯罪に巻き込まれているかどうかは2017年の段階でわかるようになっている。

オンライン上の権利侵害もこの技術を応用することで、権利は守られるようになるだろう。

もちろんオンライン上での”監視”に対して「言論の自由が確保されていない」「うまく政府にコントロールされてしまい、憲法で保障されている表現の自由が侵害される」という主張もあるだろう。

結局どうなるのか?はオンラインを所有しているプラットフォーマー(アマゾン、グーグル、アップル、フェイスブック)の意向次第になると思われる。

実際にフェイスブックでは過去に人が◯されている動画が出回り、ニュースになった。現段階ではフェイスブックは監視サポーターを大量に雇い、日々ユーザーのコンテンツを監視している。

ユーザーの行動を監視するプラットフォーマー、利用する側のユーザー。

この両方のモラルが今まさに問われているのだ。

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